洗たくしても何故ニオイが発生するのか?
洗たくしても、すぐにニオイがしてくる、という話を聞きます。
以前のように外干しをしている場合は問題ないと思いますが、最近は住宅事情もあって室内干しにしている場合が多いので、そういう消費者の方々の意見だと思います。
まず、何故ニオイが発生するのでしょうか。
この頃、TV-CMなどでは、子供だましのように「ニオイ菌」が原因であると誇大に言ってます。
ハッキリ言って、「ニオイ菌」なる名称の菌(微生物)はどこにも存在しません。
身の周りにいくらでも存在する菌が増殖する際に、産生物として揮発性の「ニオイ」として感じる物質を放出しているのです。
大体、どんな菌も皆、ニオイのある物質を産生しているので、いちいち区別することはできません。
では何故、増殖するのでしょうか。それは生物の増殖の目的はみな同じです。
ただ、そのための栄養分がないと、増殖の速度は上がりません。
洗たくの後、少しずつニオイがしてくると言うのは、洗たくで落としているのは表面の汚れだけであるからです。見た目はきれいになっていても、繊維の奥の汚れまでまで落ちていない、そこに干している部屋に充満している菌が付着して、残っている汚れを源として増殖することで、ニオイを感じるようになります。
殺菌剤入り/除菌剤入りを謳っていても、それは菌を死滅させるだけで、汚れを落とすわけではありません。汚れが残っていれば、時間とともにニオイが発生するこしは避けれません。
洗たくしてきれいになっているはずなのに、と思っていても、実は落としきれない汚れが残っているのです。
要は「洗剤の洗浄力が低下している」からです。
以前の洗剤に比べると、汚れの蓄積が早い(二次汚染が早い)ということは、研究者の間ではわかっていることです。特に、洗濯機に全てお任せの現在、液体洗剤が主流になっています。粉末洗剤は「補助剤」の配合で洗浄力をカバーしてきましたが、液体洗剤はほとんどが水であるため、十分な「補助剤」の配合ができません。せいぜい界面活性剤の量を多くして、あたかも洗浄力がUPしたような目先の改善しかしていないのです。
あまりにも便利さを求めた結果といえますが、CMに惑わされないよう注意したいものです。
2024-07-28 11:02